メロンの育て方−露地栽培の品種、摘心、雌花、開花、人工授粉、収穫日数−追熟日数、冷やして食べるか?
 
  メロンの育て方−露地栽培の品種、摘心、雌花、開花、人工授粉、収穫日数−追熟日数、冷やして食べるか?
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メロンは、北アフリカや中近東地方原産のウリ科の植物です。実の大きさは500g〜1kgになる場合もあります。中世から栽培されていたそうです。
 
 家庭菜園でも、育てやすい品種を選べば、収穫することができます。
 
 
 
 〜正式名称について〜
 学名:Cucumis melo L.
 英語名:Muskmelon
 和名:メロン(甜瓜)
 
 
 
 栽培方法時期 育て方 3月中〜4月中 土の準備 
 
 植え付け前、2週間くらい前までに苦土石灰を1m²あたり200g施肥します。
 
 肥料の施肥量は、品種や条件によって異なります。以下の基肥の施肥基準の一例と、肥料の袋の説明書きに従って検討してください。
 
 10aあたりの基肥の施肥基準の一例
 N:P2O5:K2O=16:20:16(kg) + 堆肥2トン
 
 10aあたりの追肥の施肥基準の一例
 N:P2O5:K2O=4:0:4(kg)
 
 
 目安ですが、1m²あたり、牛糞たい肥を2kgか鶏糞たい肥1kgと、化成肥料(10:10:10)を160g程度まいて、よく耕しておきます。(肥料の使用量は袋の説明書きに従ってください。また、栽培していく中で、ご家庭で独自のベストな分量を見つけてみてください。)
 
 深さは20〜30cmくらいの深さまで耕します。肥料と一緒に、バークや腐葉土などの有機質の土壌改良材を混ぜると、土がふかふかした状態をある程度期間、維持することができます。
 
 
 3月上〜4月上 種まき 
 
 発芽には高温が必要です。キュウリと似ている種ですが、だいぶ発芽するのに時間がかかることもあります。3月中〜4月中 苗を育てる 
 
 家庭では、室内か、簡易温室で苗を育てます。本葉が3、4枚になるくらい育苗します。
 
 4月上〜5月上 植え付け 
 
 マルチを張り、ビニールトンネルで栽培します。
 
 目安ですが、畝幅120cm、株間60cmぐらいとします。
 
 アーチ型支柱の中にやぐらを組み、キュウリネットを張って、ビニールでかぶせる方法もあります。この場合は上へ伸ばしますので、株間は狭くて問題無いです。
 
 基本的にビニールでおおうことが必要だと思います。また、品種は温室用のメロンではなく、トンネル栽培できるメロンの品種にします。5月上〜7月下 成長、開花、着果 
 
 植え付け後は低温に気をつける必要があります。ビニールが風で剥がれないように気をつけておきたいところです。
 
 育成自体は、トンネルで気温が上がれば簡単です。
 
 品種の説明書きに従い、実をならせる位置を決めていきます。本数を多く植えていれば、虫が居ない場合以外は自然に受粉することが多いです。
  摘心 
 
 品種の説明書きに従い、仕立て方を決めます。
 
 また、栽培方法によっても変わっていき、縦栽培の場合は、主枝と子蔓の2本仕立てで育てる、地這い栽培の場合には、子蔓4本仕立てで育てるなどと変わってきます。
 
 その目的に応じて摘心をします。また、高温期の栽培が難しく、低温期から成長させることが重要ですので、素早く摘心をします。
 
 5月下〜7月 追肥 
 
 追肥は気温が上昇し始め、実がなりはじめたころから行います。
 
 株元よりもツルの先端付近に追肥を行いますが、ネットで縦栽培では株元になってしまいます。
 
 葉の成長具合に応じて、回数、分量を調整してください。 正常に育っていれば、大きな葉が伸びてくるはずです。
 5月下〜7月 収穫 
 
 開花後、熟したものから、収穫します。品種の説明書にある日数を待ちます。ほとんどは追熟をしてから食べるもののようです。
 7月中〜7月下 栽培後半の管理 
 
 梅雨明け後、気温があがってくると、徐々に実が肥大しなくなったり、葉が枯れ始めてきます。高温障害や乾燥のためです。株が弱っていることもあります。
 
 真夏の栽培は厳しいです。
 
 
 
 病気の症状と生理障害うどんこ病、べと病、つる割病、つる枯病
 
 
 主な害虫ウリハムシ、アブラムシ、エカキムシ、ダニ類、アワノメイガ、、、
 
 
 主な品種トンネル栽培用のネットメロン : アンデスメロン、レノン、パンナ、、、
 
 最も古くからある高級フルーツの代名詞、温室メロンは温室で作るのに適したアールスメロンなどと呼ばれる系統の品種です。これは家庭菜園では難しいです。
 
 近年になって、露地栽培でもネットメロンが簡単にできるようになりました。それにより安価なネットメロンの登場です。これらは、露地栽培でビニールトンネルの中で栽培します。
 
 家庭菜園では、この品種の系統を育てれば上手く育つと思います。
 
 やはりトンネル栽培は大型のトンネルと広いスペースが必要で、難しいことが多いかもしれません。気温が上昇してから育てると、夏場に完熟する前にツルが枯れることがあるかもしれません。
 
 このあたりは気候によりますが、上手く行けば、遅めに定植して、最初のうちだけビニールで囲いをしておき、気温が上がったら、ビニールを外して露地で育てることもできるかもしれません。
 
 ネットメロンのネットは実にできた傷ですので、地面に直接、接触していると腐敗の原因になります。何かのシート、クッション材を置いた方がいいです。また、ネットが入りだしたら、実を布で拭くと綺麗なネットになるそうです。
 
 吊り下げ栽培、ネット栽培が場所をとらずにいいですが、2個の実をならすのが限界な気がします。また、地這い栽培に比べると大きさは小さくなります。
 
 ネットのない、プリンスメロンのような品種もあります。小型ですが、こちらは簡単で収穫量も多いです。マクワウリとメロンとの交配種です。
 
 露地で確実に収穫にこぎつけたい場合はこちらの系統を栽培するといいと思います。
 
 
 栽培時のポイント寒い時期からスタートするにはマルチとトンネルが不可欠です。接木苗も売られています。夏前に収穫時期がくるので、早めのスタートが必要です。
 
 成長が旺盛なときは、肥料分が切れないように追肥を与えてください。
 
 
 
  
 雌花が肥大し始めています。受粉は露地でしたので何もせずに自然受粉です。
 
  
 いくつも実がなっているのが見えます。
 
    
 これは1箇所から4つも雌花が出てしまいました。
 2つが肥大し始めました。
 最終的には大きな1個と小さい1個のメロになりました。
 
    
 ネットメロンは最後の段階で皮が割れて、ある意味、裂果しているのですが、
 汁が染みだし、盛り上がって固まり、ネットのように見えます。
 マスクメロンとも言われることが多いですが、ネットメロンというのが一般的な名称です。
 
 
 食べ方綺麗にカットして、デザートになります。食べる直前に冷やすほうがおいしいそうです。
 
 また、未熟果は漬物になりますので試してみてください。

